第 5 部 最初の一歩
覚えること、やりがちな失敗、次に読むもの
最初に覚える 5 つ
これだけで、テーブルに座れます
1 役の順番
10 種類を、強い順に言えるようにする。最初はこれだけで十分
2 行動は 6 つだけ
誰も賭けていない → チェックかベット。賭けられた → 降りる・コール・レイズ
3 ポジションは後ろが有利
4 強い手を待つだけでは勝てない
ブラインドが毎回減っていくため、参加しないと自然に負けます
5 降りるのは負けではない
ほとんどのハンドは降ります。降りる技術が最初の武器です
戦略は、この 5 つが体に入ってからで十分間に合います。
初心者がやりがちな失敗 10
全部、最初は誰でもやります
| 参加するハンドが多すぎる | 弱い手で入ると、フロップ以降で毎回困ります |
| 強い手を必ず最後まで持っていく | AA でも負ける時は負けます。降りる勇気が要ります |
| チェックできる場面で降りる | 無料で次を見られるのに、捨てているだけです |
| ポジションを考えない | 同じ手でも、席が違えば正しい行動が変わります |
| 相手の手を考えない | 自分の手の強さだけで判断している状態です |
| 金額で考える | 「5000 円だから」ではなく「ポットの何 %」で考えます |
| 負けを取り返そうとする | 損失追跡。判断が崩れる最大の原因です |
| 勝った=正しいと思う | 短期の結果は運です。判断で評価してください |
| ブラフを打ちすぎる/全く打たない | どちらも読まれます。理由のあるブラフだけ打ちます |
| 疲れている時に打つ | 判断力が落ちた状態は、そのまま損失になります |
なぜポジションが有利なのか
初心者のうちに、ここだけは理解してください
後に行動できるということ
- 相手の行動を見てから決められる
- 相手が弱いと分かれば、安く降ろせる
- 相手が強いと分かれば、安く降りられる
先に行動する不利
- 情報を先に渡すことになる
- 強い手でも、どこまで賭けてよいか分からない
「どの手か」より「どの席か」が先。これが第 1 章の中心です。
数字で見ると
- UTG から参加してよい手:約 16%
- BTN から参加してよい手:約 48%
同じ強さの手でも、席が違うだけで参加するかどうかが変わります。
3 倍の差は、ポジションの価値そのものです。
「強い手を待つ」だけでは勝てない
初心者が最初にぶつかる壁です
待つだけの人に起きること
- 1 時間で数十ハンド、何もせずチップが減る
- たまに強い手が来ても、相手が全員降りる
- 強い手だと分かりやすいので、払ってもらえない
だから必要になること
- 弱くても、条件が合えば参加する
- 強くなくても、降ろせる場面では賭ける
- これがブラフとポジションの考え方につながります
「良い手が来るまで待つゲーム」だと思っていると、静かに負け続けます。
キャッシュゲームとトーナメント
同じルールですが、戦略は別物です
| キャッシュゲーム | トーナメント(MTT) | |
|---|---|---|
| 参加 | いつでも入退出できる | 開始時刻が決まっている |
| チップ | そのままお金の価値 | 賞金に換算される。等価ではない |
| ブラインド | 変わらない | 時間とともに上がっていく |
| スタック | いつでも 100BB に戻せる | 減ったら戻せない |
| 戦略の軸 | チップ EV の最大化 | ICM を含む賞金 EV の最大化 |
| 所要時間 | 好きなだけ | 数時間 〜 十数時間 |
| 初心者向け | 学習しやすい(同じ条件の反復) | 分散が非常に大きい |
この一連の資料は、すべてキャッシュゲームの 100BB を基準にしています。トーナメントは第 9 章で扱います。
お金の扱い
ここだけは、技術の前に決めておいてください
先に決めること
- 失っても生活に影響しない金額だけを使う
- その金額を、生活費とは別の口座に分ける
- 1 回のセッションで負ける上限を決めておく
やってはいけないこと
- 負けを取り返すために金額を上げる
- 決めた上限を超えて続ける
- 借りたお金で打つ
ここは戦略ではなく、前提の話です。
なぜ先に決めるのか
負けている最中に決めようとすると、必ず甘くなります。
ポーカーは分散が大きく、上手い人でも数万ハンド単位で負け続けることがあります。
資金管理は「弱気」ではなく、続けるための前提条件です。
のめり込んでいると感じたら、距離を置いてください。
練習の始め方
いきなりお金を賭ける必要はありません
1 無料のアプリやプレイマネーで、操作に慣れる
ボタンの位置、進行の速さ、役の判定に慣れることが目的
2 役の判定を声に出して確認する
毎ハンド「自分は今なんの役か」を言う。10 分で慣れます
3 プリフロップ表だけを使って打つ
参加する手を決め打ちにして、フロップ以降に集中する
4 1 日 5 ハンドだけ記録する
勝敗ではなく、迷った場面を書き残します
5 第 1 章に進む
ここまでできたら、戦略の学習が意味を持ち始めます
順番に意味があります。操作に慣れる前に戦略を学んでも、実戦では使えません。
次に読むもの
資料全体の地図です
| 資料 | 内容 | いつ読むか |
|---|---|---|
| 第 0 章(この資料) | ルール・役・用語・進行 | 今 |
| プリフロップ・レンジの地図 | 169 通りの参加基準 | 操作に慣れたらすぐ |
| 壁紙チャート | 実戦中に見る早見表 | 打っている最中 |
| ハンド表の設計ノート | 表がどう作られたかの記録 | 「なぜ」が気になったら |
| ホールデム攻略メソッド | フロップ以降の全戦略 | プリフロップが固まったら |
| デフォルト・アクション表 | 全ストリートの行動早見表 | メソッドと並行して |
推奨の順番
- この資料 → プリフロップの地図 → 実戦で 1 週間 → 攻略メソッドの第 2 章へ
- 一度に全部読まないでください。打ちながら、必要になった章だけ開くのが最短です
ここまでで、テーブルに座れます
役が分かり、行動の種類が分かり、1 ハンドの流れが分かれば、
あとは実際に打ちながら覚える段階です。
最初の数十ハンドは、勝ち負けを気にしないでください。
今日やること
役の順番を 10 個、言えるようにする
今週やること
プレイマネーで 100 ハンド打ってみる
来週やること
プリフロップ表を持って、参加する手を固定する
分からない言葉が出てきたら、用語集で引いてください。
確かめる
後に行動できる席が有利な理由として、本文が挙げているのはどれでしょう。
- 強い手が配られやすいから
- 相手の行動を見てから決められるから
- ブラインドを出さなくてよいから
答えを見る
相手の行動を見てから決められるからです(本文「なぜポジションが有利なのか」)。
読み終えたら
押すと、このレッスンを読み終えたことをこの端末にだけ記録します(レッスンの名前だけ。日時は残しません)。もう一度押すと外します。